自然の恵みを五感で楽しむ 暮らしが豊になる庭
先日ひさしぶりに東京に五泊六日のスケジュールで出張に行ってきました。
五日しかないので、東京、埼玉、宮城とかなりのハードスケジュール。
でも
たくさんの方にお会いでき、多くの話題をいただいたり、提供したりで
充実した出張になりました。
この春はいろいろな方が農園にこられる事にもなり、またお会いするのを楽しみにしています。
以前から暮らしに香りをデザインするという話をしています。 もちろん 今回の出張の話題の主役は香り。そのなかで親しくさせていただいている女性ガーデンデザイナーのN さんと庭に香りをデザインするの話をしました。
前の日に彼女が設計した原宿の教会入り口の壁面緑化をみて感動してきたばかりで、
コブシ、ローズマリーなどが植栽され、柔らかな香りがただよっていました。
ローズマリーは北海道では道南以外では冬越しは難しく、東京での壁面緑化に使われているローズマリーに、紫の花がたくさんさいているのはうらやましい限りでした。
東京は今年は桜の開花が早く、梅が咲き、コブシが咲き、椿も咲いて、桜までさいてしまい、北海道の春の百花繚乱状態で驚きました。
植物の香りは季節や時間を感じさせると思っていましたが・・・・・・・

都々逸に
梅はさいたか桜はまだかいな
と あったように、北海道以外は季節は植物が感じさせてくれるものと思っていましたが、今年は少し変・・・ですね!
なので・・・この時期お花見時期ではないはずでしたが、目黒川の夜桜を見、明治通りで桜の香りに包まれながらのディナー、桜の香りにひと時 疲れを忘れさせてもらいました。
桜の香りと共に記憶の日記帳。一ページになりました。
香りは遠い記憶をよみがえらせ、穏やかな気持ちにもなり、心にも作用し、訪れたゲストにも深い印象を残します。それは嗅覚は五感の中でも特に情緒に働きかけるからと思われます。
さまざまな香りで庭や環境を彩れば、豊な感情が呼び起こされます。
自然の香りの多様さを知り、デザインすると、限られた空間がもっと広く、奥行きを増すことでしょう
空間をデザインする際には
植物の種類、性質を知る。
適した気候や土壌を考慮する。
そのうえで好きな香りの植物を選ぶ。
あまり多くの香りが混ざってしまわないように、季節、時間をずらして組み合わせを考えるのが理想的なデザインです。ひとつの香りが終わりを迎えるときに次の植物が香るように計画し、一年の香りカレンダーを作るのも楽しみです。
と・・・これは東京でお話をさせていただいたガーデナーのNさんに教えていただきました。
香る庭に植える植物を選ぶときには、大きく4つの種類に分けることが出来ます
香る花・木(モクレン・梅・ライラック・桜など)
香る花や球根(バラ・ヒヤシンス・スイセン)
ハーブ(タイム・カモミール・フェンネル・など)

葉や茎が香る植物(カシス・クロモジ)
はじめて香りをデザインする時には、植える場所に香りを考えてデザインするのが簡単です。
たとえばミントやサントリナ・アキレアのように
葉をちぎったり、こすったりして植物の組織を傷つけて香る植物は
アプローチや玄関に
人が通ったとき、衣服にふれたり、手に触れたりすることで香りがたちます
匍匐製のカモミールやタイムを芝生代わりに敷き詰めると香りの絨毯になります。
また香りの性質
陰の香りと、陽の香りでデザインするのも良いと思います。
バラの香りはとても楽しい気持ちになる陽の香り
朝、バラのアーチをくぐり、楽しい気持ちで出勤!!
休日、カモミールや、タイムの芝生に寝転がって癒されてリラックス。
こんな簡単なところから香りのデザインに入っていくのも楽しいかも
香りのTPOというと香水と言うイメージがありますが、植物の香りの性質を上手に用いることを覚えておくと、お通夜の席に楽しい気持ちになるバラの香りの香水はつけていかないと思います。
ひとつの植物から発想を広げていくと、庭という空間から暮らしの喜びが増していくことと思います。
私の友人は、刈り込んだハーブや落ちた花びらを乾燥させ、暖炉にいれ、暖かく香りたつ炎に癒されているとの事です。
今年のお庭に香りをデザインしてみてはいかがでしょうか!!!